海藻の健康効果と効能

南欧では、まだ夏は終わっていない!
夏の休暇の行き先のひとつはビーチです!海で涼み、砂浜で遊び、デッキチェアでカクテルを楽しむ。。。最高ですね。
しかし、ビーチには欠点もあります。海藻は海の嫌われ者。海藻の上を歩いたり、その匂いを嗅いだりするのは、いやですよね。
とはいえ、海藻は長い間水辺の風景の一部でした。約30億年前に出現し、海藻は地球上の生命の祖先とも考えられており、地球と私たちの両方に多くの効能を持っています!
海藻の主な種類

海藻は、単細胞の微細藻類から肉眼で見える大型の褐藻類(コンブなど)まで多様な水生生物群を含みます。大型海藻の種数は約9,000種あり、そのうち約1,500種がヨーロッパの海に生息しています。海藻の総種数は推定で30,000種から数百万種にのぼるとも言われています。
海藻は以下の4つの大きな分類に分けられます:

海藻の生態学的重要性
海藻は「植物」とはみなされていませんが、光合成を行い、地球の酸素の最大50%を生産しています。これは陸上の森林よりもはるかに多い量です。
その生態学的な利点は酸素の生産にとどまりません:
- 海藻は二酸化炭素、窒素、リンを吸収し、自然なフィルターとして機能します。大気中の二酸化炭素を吸収することで、温室効果の減少に貢献しています。
- 海藻は水域の土壌を窒素で豊かにし、生態系を支えます。
- 海藻は水生食物連鎖の基盤となり、動物プランクトン、魚類、甲殻類の餌となっています。
- 「コンブの森」は、多くの海洋生物(魚類、無脊椎動物、アシカなど)に住まいと食料、繁殖場所を提供します。
このように海藻は、地球上の生命を支える持続可能な生態系の維持に大きく貢献しています。

海藻:多用途な資源
人類は早くから海藻の利点を認識しており、特に食料や建築に利用してきました。
人間の歯石から抽出されたバイオマーカーの分析により、考古学者たちは約8,000年前にヨーロッパに住んでいた人々の食生活に海藻が含まれていたことを確認しています。これは、今ではヨーロッパでほとんど消費されなくなったこれらの資源が、当時は食生活の不可欠な一部であり、農業や牧畜の導入後にのみ、小規模もしくは飢饉時や家畜の飼料として限られるようになったことを示唆しています。海藻の食用利用は、アジアよりも早くヨーロッパで始まっていた可能性もあります。実際、日本での食用海藻の利用は4世紀、中国では6世紀に遡ります。これらは皇帝や賓客のための珍味として調理され、税として納められたこともありました。

古代ギリシャでは、建築物の壁の断熱材として海藻が使われていました。木造の骨組みに海藻を詰め、それを漆喰や粘土で覆うことで、家屋の保温効果を高めていました。
海藻の研究が進み始めたのは18世紀からで、ヨーロッパの博物学者たちが新たな沿岸地域を探検し、種の多様性を記録したことがきっかけです。
20世紀には、食品産業、動物栄養、農業(肥料)、繊維(染料)、化粧品、医薬品、浄化(廃水処理)など、海藻の商業利用が急速に拡大しました。

最後に、21世紀に入り、海藻はバイオテクノロジーおよび再生可能エネルギーの主要な研究対象となり、プラスチックや化石燃料のよりクリーンな代替として注目されています。
海藻と健康:治療特性
海藻は予防および治療の補助として使用されています。豊富なビタミン、ミネラル、抗酸化物質、タンパク質を含むため、その効能は多岐にわたり、スーパーフードとして広く認識されています。
栄養面での利益に加え、海藻に含まれる生物活性物質は、高血糖症、糖尿病、肥満、代謝障害、神経変性疾患、心血管疾患などの治療効果が証明されています。
これらの生物活性物質の一つである多糖類のアルギン酸は、チケアに使用されています。チケアは褐藻の特性、すなわち迅速な止血と自然な創傷治癒促進の能力を利用しています。
チケアは、血液や滲出液などのナトリウム豊富な体液に触れると水和し、ゲル化し、カルシウムイオンを創傷部に放出します。このカルシウムアルギン酸の物理化学的変化がその治療効果の原因です
キーポイント
誰も海藻の上を歩いたり、その匂いを嗅いだりしたいとは思いませんが、海藻はよりよく知り、守られるべき存在です。実際、海藻は陸上の森林よりも多くの酸素を生み出しており、地球上の私たちの生存に欠かせません。
人類はすぐに海藻の食用としての利点を認識し、その多用途性を漸進的に発見しました。海藻は建築、衣類、化粧品、医療、農業に利用されてきただけでなく、再生可能エネルギーやさまざまな汚染対策にも今後さらなる利用が期待されています。
海藻は医療分野でも多くの応用があり、褐藻の止血や創傷治癒の特性を活かしたチケアなどがあります。
この記事が海藻に対する見方を変え、ビーチの散歩をより楽しむきっかけとなれば幸いです。
出典:
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